エンボスプレス機の修理
6月17日(月)の午前10時頃にエンボスプレス機の2号機が動かなくなりました。 モーターを駆動するとけたたましい音がします。 油圧はゼロのままで、プレスは上昇も下降もしません。
㈲スリーサプライ川口のエンボスプレス機は定時稼動で1台平均1,500パンチ程度のプレス作業を行います。 2台で1日3,000パンチ~3,500パンチの日程を組んでいます。 ここのところ日程がつまってしまい、先週の金曜日の夜勤稼働と土曜日の休日出勤をしたばかりです。 一時的な2交代勤務も視野にいれていた時のエンボスプレス機の故障です。 JAM(日本オートマチックマシン)への修理依頼に並行して、24時間体制で急場をしのぐ段取りを行いました。
JAMの対応が早く、故障した当日と翌日に営業さんがプレス機を見に来てくれたのには驚きです。 電気系統と油圧系統のチェックを行い、即部品手配に動いてくれたおかげで、21日の本日(金曜日)に修理を行うことができました。 フットワークの軽い営業さんで助かりました。
動かなくなったエンボスプレス機ですが、油圧ポンプとモーターの接続部分が破損し、モーターの軸だけが空回りしている状態でした。
エンボスプレス機のHKP700SAのモーターは油圧ポンプと連動しているタイプで、それ全体をごっそり交換する修理となります。
修理前の準備は、重いモーターを真上に引き出すための作業スペースを作ることです。
エンボス機の左右両側に人一人が入れるスペースが必要です。
さらに、重いモーターを真上に引き上げるための滑車を使うスペースとして、モーターの上に1メートルほどの空きスペースを確保します。
また、モーターを外すことでオイルを全て抜いてしまうので33リットルの新しいオイルが必要です。
HKP700SAは、小さいですが約700kgの重さがあります。
1tのパレット専用運搬台車を使って男性社員3人がかりでの移動でした。
AM10:30。
修理が始まってから約1時間でモーターとポンプが外されました。
通常はこの中にオイルがなみなみと充填しています。
HKP700SAの上昇、下降は全て油圧です。
油圧プレスなのでクランクシャフト(カム)式プレスと違い、下死点で長時間加圧することができます。
通常のエンボス作業では、3秒~5秒ほど加圧し続けます。
そして午前中に修理は完了しました。
上写真(左)は取り外されたポンプ一体式のモーターです。
そして上写真(右)は取り付けられた新品のモーターです。
最後に2つある200Vコンセントでモーターの逆転がないかをチェックして作業は終了です。 3相の200Vの場合、位相が異なるとモーターが逆転してしまうので、この確認は必須です。
修理を終えたプレス機を元の位置に戻し、よけておいた金型や作業台を定位置に配置する作業で一日が終わってしまいました。 プレス設置場所が少し傾いているので機械の水平を出すのに手間取りましたが、ここは慎重に時間をかけて納得のいくまで調整しました。
故障から5日でエンボスプレス機の修理が終わり稼働再開です。
生きているプレス機での24時間稼動のおかげで、エンボス加工の遅延もなく、お客様に迷惑をかけることなく凌げました。