ガイド穴(ステ穴)をあける作業
スリーサプライで製造するほとんどの製品は、印刷後にエンボス加工やテープ貼り合せ加工、仕上げ抜き加工を行います。 そういった印刷フィルムの2次加工時に、印刷意匠とエンボスや仕上げ抜きの位置を合わせるための基準としてガイド穴(ステ穴)を印刷します。
印刷するガイド穴は主版、つまり印刷位置を決定する刷版に付けられています。
製品の位置決めの基準となる主版は、多くの場合LED窓や7セグ用の窓を印刷する刷版となります。
例えば「ON/OFF」、「運転入/切」などの文字の位置が0.5mmずれても製品に支障をきたすことはありませんが、外形位置と3φほどのLED窓位置が0.5mmずれてしまったら成型品に貼った時に支障をきたします。
そんなトラブルを回避するために、ガイド穴は必ず主版で印刷されます。
そしてそのガイド穴をあける作業は加工部門が担当します。
㈱UHTのPZ-DESKという半自動穴あけ機を3台設備し、社内加工製品や外注向け加工製品のガイド穴あけ作業を行います。
PZ-DESK1台の1日の穴あけ数(キャパ)は7,000穴程度です。
スリーサプライには3台のPZ-DESKが稼動していますので、1日に約20,000穴の穴あけ作業を行うことができます。
穴あけ機のPZ-DESKは、∮2で印刷されたガイド穴をCCDカメラで読み取り、自動計算して製品をφ2のPIN(雄型)とDIE雌型)の中心へ移動します。 バキュームテーブルで製品を吸引して移動しますので、精度の高い穴あけが可能です。
このPZ-DESKの通常のメンテナンスは、エアーの水抜きと磨耗したPIN(雄型)とDIE(雌型)の交換程度です。
しかし長期で稼動しているとCCDカメラのレンズ部分が汚れ、画像を認識しづらくなってきます。
画像がぼけてきた、ピントが合わないという症状が出てきたら、
PZ-DESKのレンズの洗浄方法についての説明をご覧下さい。(別サイト)
ガイド穴(ステ穴)をあける作業自体はPZ-DESKが自動で、印刷された2∮もしくは3∮のガイド穴の真ん中に穴をあけてくれるので簡単です。
しかし実際の製品は裏に両面テープが貼ってあるために離型紙でスリップすることもあります。
エンボス後にガイド穴をあける場合には、エンボスの隆起でバキュームテーブルへの吸い付きが悪くなりスリップする場合もあります。
ガイド穴のズレは後加工の精度に大きく影響します。気を抜ける作業ではありません。
作業者は、印刷されたガイド穴に対して穴あけした∮2の穴がズレていない事を確認しながらの作業となります。