スクリーンインキの撹拌(かくはん) 

スクリーンインキの撹拌(かくはん)の必要性

㈲スリーサプライ川口の印刷オペレーターは、印刷前にスクリーンインキの撹拌作業を行います。 パールやメタリック粉を混合したインキはもちろんですが、調色した一般インキも5分程の撹拌を行っています。

スクリーン印刷に用いるインキは多種多様です。 これは被印刷物、つまり「印刷される側」の材料が多種多様で、それに合せた密着するインキを選定しなければならないからです。
被印刷物は、プラスチック、ビニール、ゴム、紙、木、金属、布、マグネット、食品などなど様々です。 スリーサプライでは、PETフィルム、ポリカ材、ウレタン材、紙をよく使っています。

スクリーンインキは基本的に、インキの根本となる被膜を作る樹脂成分と着色するための顔料、そして印刷に適した粘度に希釈するための溶剤を混合することで作られています。 さらにパールやメタリックの金属粉、マット剤など、さまざまな異質な物質が混ぜられている場合もあります。

そんなスクリーンインキですが、保管後1週間もすると分離と沈殿現象が起きます。
上記の通り、スクリーンインキは異質の物質が混ざり合っているだけで、その混合された各成分は溶解せず分散している状態、つまり「コロイド状態」だからです。 例として水に泥を入れてかき混ぜた茶色い泥水を想像して頂くと理解しやすいかと思います。
スクリーンインキは長時間の放置すると、混ぜ合わされた各成分の比重の差により分離や沈殿が起こることは容易に想像できます。

スクリーンインキの攪拌(かくはん)機とは

スクリーン印刷で使用するインキの撹拌機とはどういうものか?
攪拌(かくはん)機
(株)セイコーアドバンスで販売しているAD-MIXという攪拌機です。 インキ缶を挟み込んで振動させることで攪拌を促します。 2kg缶までセットすることが可能です。 また、タイマーをセットすれば設定した時間で自動でストップするので便利です。

スクリーンインキが分離や沈殿した状態でそのまま印刷を行ってしまうと印刷ムラの原因にもなりますし、 色が変わってしまう(マダラになる)こともあります。
印刷オペレーターはその事を経験から知っているので、溶剤を足して金ベラでインキを攪拌します。 インキの量が多い場合にはハンドミキサーにプロペラをつけてインキを攪拌する場合もあります。 あたかも昭和の印刷工場を見ているようですが、今でもそのような作業現場は少なくありません。

しかし手では十分に攪拌できない事はもちろんですし、 ハンドミキサーにプロペラをつけて攪拌した場合、攪拌の度合いは問題無いと思いますが、その都度プロペラを洗わなければなりません。 非効率ですし洗浄が不十分で前色がプロペラに残っていた場合には次色に悪影響を及ぼします。 それがシリコンであった場合はなおさらです。

そこでスリーサプライでは自動の攪拌機を2台購入して利用しています。
印刷作業中に次色のインキを撹拌する事ができるので効率的ですし、インキ缶の蓋を閉めたままセットするだけなので操作も簡単です。

実際の攪拌(かくはん)作業

このページ上部の動画を見て頂ければ、スリーサプライで行っている撹拌作業をご理解頂けると思います。
スリーサプライでは印刷前に必ずインキの攪拌(かくはん)作業を行います。 5分以上攪拌するという作業手順が決められています。
タイマーで攪拌時間を設定するので、手が空いた時や、1色目の印刷中に次インキの攪拌が行えます。 時間のロスも無く、ひじょうに便利です。

この撹拌機を使用する上での注意点もあります。
インキ缶が変形していた場合、振動で中のインキが漏れる場合もありますし、インキ缶自体が外れてしまう場合があります。 また、インキ缶の蓋にセロテープを巻いておくとより安全に撹拌できます。

インキの攪拌は、より安定した印刷を行うためのルールの1つです。
スリーサプライでは常に印刷品質の安定を最優先に考えております。

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