目で見る工程管理
お客様から頂いたご注文は、弊社コンピューターのデータベースに登録されます。
データベースには、その製品の製品カードを探すためのコンピューター番号も登録されており、製品毎、一点一様の製品カードを取り出します。
製品カードには、ご注文頂いた製品を作成するための情報の全てが記載されています。
必要な材料、工程順序、製品図面、承認サンプル等がそれにあたります。
事務部門の仕事は、まずご注文頂いた製品の工程を確認し該当部署に手配伝票を発行することで受注があったことを知らせます。
受注する製品は、印刷工程だけのものや、「印刷→ラミネート→加工→検査」、さらに途中工程でエンボス加工が入る製品等さまざまです。
その関連する部署にだけ手配伝票を発行するのです。
そして、この各部署それぞれに発行された手配伝票は、各部署で作業を終了すると仕上がり数や不具合事項等を記入し、製品カードに入れて製品と一緒に次工程へまわします。
これを各工程順に繰り返します。
全ての加工が終わり、製品カードと各部署で必要事項を記入された手配伝票は最終検査工程へとわたります。
最終検査工程では、各工程毎に記入された手配伝票の情報をもとに検査を行い、その結果を検査用に発行された手配伝票に記入します。
最終検査、出荷作業が終わると製品カードと受注時に部署毎に配布された全ての手配伝票は再び事務に戻ります。
回収された手配伝票には各製造工程での全情報が記載されているので、事故報告や員数の過不足、在庫数や歩留まりのデータ集計を行うことができます。
以上が㈲スリーサプライ川口の工程管理システムです。
一見よくできた工程管理システムですが、このシステムには弱点があります。
それは計画した日程通りに生産が行われているのかを把握(確認)しようとしたときです。
今その製品がどこの部署にあるのかが不明確なのです。
もちろん、事務員が工程順に各部署をまわり、「終わった?」、「終わった?」と順に聞いてゆけば良いのですが、それではスマートでは無いですね。
それを解決するには各部署から生産状況の吸い上げが必須となります。
そんな時に便利なのが、ホワイトボードを使った目で見る工程管理です。
どこでも見かける昔ながらの手法です。製造現場ではよく見る光景だと思います。
しかし㈲スリーサプライ川口ではいくつかの工夫を取り入れることで利便性を増しています。
このホワイトボードに貼り付けるマグネットに製品名や数量、納期を記入するのが事務の仕事です。
まず、新規受注により発行された新しいマグネットは一番左側に置かれます。
そのマグネットを各部署長がどこのラインに投入するのかを決め、該当する場所にマグネットを移動します。
そして作業を終了すると次工程にマグネットを移動します。
次工程の部署も同じ事を繰り返し、マグネットは左から右と流れていきます。
製品が今どこの部署にあるのかを知りたい場合には、該当するマグネットを探す事で解決できます。
また、マグネットの密集度合いで、どの工程で製品が停滞しているのかが一目でわかります。
これによりコンピューター管理で不十分なところを補うことができるのです。
マグネットのオレンジ、ブルー、グリーンは受注した日付を意味します。 1ヶ月を10日で区切り、マグネットを色分けすることにより納期遅延を未然に防ぎます。
事務員は、電話対応や書類作りだけでなく、このように工場全体の流れを把握するためのシステムの基点としての役目も大切な仕事なのです。