シール印刷機で両面テープの量産 

シール印刷機を使っての両面テープの量産

シール印刷機には多色印刷機能の他にDIEカット、カス上げ、断裁(短冊カット)機能がついています。 ㈲スリーサプライ川口では、それを利用して両面テープの量産を行っています。

両面テープ その一例として左写真の両面テープでご説明します。
短冊にカットされた離型紙の上に4pcs分の両面テープが乗っています。 この製品は月産32,000pcs以上の受注を頂いており、かつ継続しています。
製造開始当初はプレス部門で4pcs☓2面=8pcsのトムソン型でプレス作業を行っていました。 月産10,000pcsほどの受注であったので1,250パンチほどで完了します。
その場合、不要部分のカス取り作業は、短冊1シートで外周部と長方形の窓部分4箇所となります。 写真の状態の両面テープ2,500枚のカス取り作業を毎月行っていたのです。

しかし受注量が15,000pcs、20,000pcsと増えていく中で人海戦術でも対応できなくなってきました。 さらにプレス部門の負担も大きくなり、月産30,000pcs分の3,750パンチのプレス作業が困難となってきました。

そこで考えたのが、シール印刷機で両面テープの量産ができないか?と言うことでした。
シール印刷機にはDIEカットもあり、カス上げ機能もあります。 さらにロール材を短冊にカットする事ができるのですから、この両面テープのプレス作業も可能なはずです。 人海戦術で苦慮していた外周部分のカス上げが済んだ状態の両面テープが出来るのですから、カス取りも窓部だけとなります。
そして最大の魅力は加工速度です。 両面テープのプレス作業なので高速ではまわせませんが、4面型でSPM100程度の加工速度でも400pcs/1分となります。 プレス部門で加工した場合には、8面型で6パンチ/1分程度なので48pcs/1分となり約8倍の差が出る計算となります。

現在、シール印刷で両面テープの加工を行っておりますが、16,000pcs分を1日の稼働で仕上げてしまうのですから予想以上に速いです。

両面テープ加工の説明

シール印刷機で両面テープの加工を行うには、いくつかの問題点がありました。
DIEカットの押圧の問題、ロールの蛇行の問題、粘着剤が厚いために発生するカス上げの問題、短冊カットのズレの問題。 それら1つ1つを量産を行いながら約3ヶ月の期間で解決し、現在はスムーズに量産できる状態となりました。

ロール投入口 平板で購入していた両面テープをロールで購入し、95mmでスリットした状態で使用します。
テープの原反幅は1000cmなので100mm☓10本が一番無断が無いのですが、スリットする都合で95mmになってしまいます。
作業を中断するツナギは極力入れたくないので100Mで購入します。 写真は95mm幅☓100Mロールをシール印刷機に投入しているところです。

DIEカット 両面テープは印刷箇所を素通りしてDIEカットに入ります。
ここに4面型をセットして両耳フルカット、中はハーフカットの調整を行います。
そもそもが薄いシール材のハーフカットが前提のDIEカットなので、多少パワー不足な面があります。 また、両面テープの粘着剤と刃先が1ショットで確実に剥離するような工夫が必要です。

カス上げ 断裁 プレスされた両面テープのカス上げと短冊に断裁する工程の写真です。
カス上げ部分は、両面テープ粘着剤の糊が強いため、人手のサポートが必要です。 そしてカス上げされた両面テープを4pcs毎に断裁していきます。

耳落とし カス上げ工程の写真では分かりづらいのですが、余白部分のカス上げと同時に両耳の剥離を行っています。 (左写真参照)
4箇所のU字の切れ込みは製品と貼り合せる時の当てとなります。 このU字の当てと中に残る両面テープの位置関係はズラすことはできないので1パンチでプレスします。
また両耳の幅は2mmなので材料の蛇行も2mm以内で押さえなければなりません。

トムソン型 最後に両面テープのプレス加工に使用するシール用のトムソン型(ビク型)です。
当初は写真左の一般的なアクリルで作成された型を使っていました。 しかし粘着剤が強いためかアクリルが割れてしまう事故が続発します。 試行錯誤を重ねた結果、現在は写真右のトムソン型を使っています。 外側にABS樹脂を使い、中はアクリルです。
写真のトムソン型は刃裏面視で撮影されているため見えないのですが、裏側のハネダシスポンジにも工夫があります。 シリコンを多めに塗布したいので拭き取らずに薄い紙を貼ってあります。 (シリコン塗布についてはこちらのページをご覧下さい
リンク先でご紹介しているシリコン塗布方法は、塗布後にシリコンを拭きとっていますが、今回は拭き取らずにシリコンを残します。 約4,000ショットを一気にプレスするので、刃先にシリコンが残った状態を維持する必要があるのです。

詳細説明をご希望の方は、お問い合せページより㈲スリーサプライ川口、平野までご連絡下さい。

↑ PAGE TOP